年表

121) 新居 [自伝本『私のこと』]

入籍・結婚式・独立 と、たった3ヶ月の間に
めまぐるしいスケジュールをこなしていた私達は
自分達の新居を考える余裕もなく、ただ 便利なため
もともと私が借りていたマンションに、彼の荷物と共に住んでいた。
 
オープンから 7ヶ月が過ぎた頃、ようやく新居となる家に引っ越しをした。
東京に出てきて 初めての “一軒家” であった。
この家が 私達の全てを変えた ! と言っても過言ではない。
 
実は 結婚する時、彼は 「子供は作らない。」 と言っていた。
年齢のことやお店のことを考えると、子育ては無理だと思ったからだ。
それに、一番の理由は 彼は子供が好きではなかったのだ。
私は 当時 35才、子供は好きな方である。
だが、オープン早々 出産するわけにはいかない・・・。
私なりにも 完全に諦めていた。
 
そんな時、運良く 素敵な一軒家に引っ越した。
初日の夜、段ボールだらけの中 新たに購入したダイニング・テーブルで
「こんな家に住めるようになったんだね・・・。」 なんて
少し感傷的になりながら、ワインを傾けていた。
突然、彼が 「こんな家なら 子供がいてもいいかもね、イメージ湧くよ ! 」
と言いはじめたのだ。
 
≪えー・・・今までイメージが湧かなかっただけだったのー ? ≫
 
確かに 今までの独り暮らしなんて、狭い殺風景なマンションで
内装もユニット・バスや簡易キッチン・・・とても家族をイメージできない。
この家は、門・庭・玄関ポーチと続き アール・デコを感じさせるお洒落な内装で
なにより、とても温かみのある空気感が好印象だった。
私は 独立したばかりだったことも忘れ、チャンスがあるなら・・・と
必死に 彼に 前向きな検討を試みた。
 
丁度、彼もイベント・プロデュースの仕事で独立しており
ただただ 忙しかっただけの私達であった。
 
そんな二人の前に
新居がもたらした新たな運命の扉が開かれようとしていたのであった。
 
 
 

2010年02月09日(火)

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