年表

21) 母の子育て論 [自伝本『私のこと』]

体力も気力も 弱々しかった私だったが、性格は明るかった。
友達もたくさんいたし、好きな男の子もたくさんいた。
先生に恵まれたのは この頃からで、それは母のお陰だった。
 
母は仕事をしていることもあり、よく私に
「いつも 先生をお母さんだと思って 何でも話しなさい!」 と教えてくれた。
その言葉通り、私は 担任の先生と 出来るだけ話をし
好きになるように努力していた気がする。
好きになると、授業中も 先生の顔をよく見て、そして自分も見られようとする。
その気持ちが 人に可愛がられる性格を生むのだ。
 
これは 今思えば、人間の社会生活の中で 最も重要なことと言えよう。
学校や職場、恋人同士や家族、いろんな人間関係の中で、うまくいかない時がある。
うまくいくようにするには・・・もっと言うと
自分が幸せになるためには
まず相手を好きになることだ。 理解しようとすることだ。
自分だけが正しいのではなく、相手も 何を考えているのか
どう思っているのか を知ることだ。
 
簡単に言うと、自分が いかに 可愛がられる人間かを問うのだ。
そして 逆に、自分が 可愛がりたくなる人間とは どういう性格の人かを考え
自分がそうなればいい。
 
まだ 小学校低学年の私に、母は
先生(他人) = お母さん = 好きになる = 好かれる
という方程式を教えてくれた。
 
親として 子供に教えたいことは、山のようにあるが
スポーツや学力、それに基ずく環境を与えることも大事だが
私は この時すでに
人として生き抜くために 一番 肝心なことを教わっていたのだ。
 
その後の私の人生で、恩師と言える方々に出会えたのは
この手法を身に付けたからだ と自負している。
まさに “人を引き寄せる力” とでも言うのだろうか・・・。
 
この話は 母もよく覚えているようだ・・・というか
母の子育て論というべき考えは
まさに これしかない! これしかないのである。
 
 
 

2009年02月03日(火)

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