年表

39) ビタミン剤 [自伝本『私のこと』]

成長期、ダイエット、コンプレックス・・・ と
思春期という時期は、とても お忙しいものだ。
 
さらに、中学生ともなると 好きな男の子の一人や二人は 出現する。
いわゆる “恋話” だ。 私も例外ではない。
 
実は、入学式の日から ものすご〜く 気になる人がいた。
丸坊主で、目のきれいな人だった。
どうやら 転校生だったらしく、他の小学校を卒業した友達も 知らないようであった。
 
私は、同じクラスになったこともなく、他に何の接点もないまま
卒業するまでの3年間、ほとんど一度も話をすることは なかった。
そう、卒業式の日までは・・・。
 
私は、特に内気でも 引っ込み思案でもなく
明るく、男女共に よく話し、友達は多い方だった。
部活動でも 部長になったり
小学校5年生の時には、生徒会会長に立候補したほどだったから・・・。
 
その彼に、告白 出来なかったわけではなかった。
けれど、告白したり 付き合ったり したい とは思わなかった。
それより、何日かに一回位 顔を見て ウキウキ出来ること
そして なぜか、一番いい自分をつくれる瞬間が
何よりも 私のビタミン剤代わりになった。
 
実際、他の男性から告白されたこともあったし、グループ交際(?)も したが
近い距離にいない方が、よく効くビタミン剤になることもある。
 
私にとって、彼が そんな存在でいることが、心地好かった。
ただ
<卒業式に 大好きな男性の学ランの第二ボタンをもらう・・・>
という流行(はやり)があり
(何を隠そう 私は、別マ = 別冊マーガレット の愛読者であったから
このての話は しっかりキャッチしていた)
私の気分は、主人公・・・。
決心し 告白に行った。
 
彼は、私に第二ボタンをくれたのだ。
すがすがしい笑顔が印象的だった。
帰る頃、彼の学ランは 私の第二ボタンを皮切りに、すべて なくなっていた。
<結構人気あったんだ・・・>
 
このボタンは、私のお守りのような 大切な宝物となった。
 
そして、10年ぶりくらいに、東京で再会する。
私は すでに 美容師をしていたためか、印象が変わっていたと言う。
彼は、変わりなく 懐かしかった。
 
現在、お客様として 2ヶ月に一度、会っている。
お互い、家族に恵まれ、いい おじさんとおばさんだ。
当時の話は、今では 数人の同窓会での、ちょっとした笑い話となってしまった。
 
でも、時々話す 懐かしい話に照れながら
ビタミン剤となってくれた彼に、そして ボタンをくれた彼に
感謝しているのである。
 
思春期に限らず、男女に限らず、何才になっても
ビタミン剤のような存在は 必要だろう。
 
なぜか 一番いい自分をつくれる瞬間・・・。
 
これで 世界は さらに 色鮮やかに 見えるのである。
 
 
 

2009年04月07日(火)

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