年表

127) いざ出陣 ! [自伝本『私のこと』]

出産予定日の3日前の朝、“おしるし” があった。
軽い出血である。
容態に変化はなく、至って順調であった。
 
次の日も、営業終了まで働いていた。
予定日まで あと2日にせまり、心配していた主人が迎えに来てくれた。
午後9時をとっくに過ぎていたが、遅めの夕食を食べに出掛けた。
 
しかも、“とんかつ” を だ !
 
実は、結婚前は あまり肉食ではなかったのだが 妊娠終盤の好みの変化で
なんと3週連続で食べに出掛けた恵比寿のとんかつ屋さんがあった。
本当においしいお店であったが、店主が体を悪くして 今ではもう閉店してしまったのだ。
残念で しかたがない・・・。
 
さすがに、4週連続はどうかと思い、
しかも 店主に毎回予定日を聞かれ、前回 「来週です。」 と答えたばかりであったから
何となく 行きにくく(笑)、別のとんかつ屋さんに行くことにした。
 
とんかつを食べ終わろうとした時、急にお腹が痛くなった。
あわてて家に帰り、お風呂に入った。
出産すると、すぐにはお風呂に入れないと聞いていたし
体を温めると痛みも軽減するらしい。
要は微弱陣痛の始まりであった。
お風呂に入ると、不思議なくらい 痛みが無くなった。
しかも、水位に合わせて痛みがあったり無くなったりするのが おかしかった。
 
お風呂上がりに ソファーに寝ころんでいると、急に破水した。
まるで、風船の中に少し水が入っていて
それが 「パシュ ! 」 と割れたような感じで、強烈な痛みが始まった。
私には その音や感触が はっきりと分かった。
私の異変に気付いた愛犬チョコが、私の周りをくるくる回り始め心配してくれた。
 
大急ぎで病院へ向かい、すぐに分娩室へ移動・・・。
夜の11時頃であった。
覚悟していた最後の痛みと闘うことになる。
 
ちなみに、2人目の時は 予定日より6日早く陣痛が始まった。
営業中、最後のお客様のパーマリンスの間に陣痛が始まり
そんな中 ブローと仕上げを施術し、痛みを堪えて お見送りをして帰宅、
長男を預かってもらう方のところへ荷物を届けてから病院へ。
それから 急いで分娩室へ移動・・・。
夜の7時頃であった。
 
3人目の時は、予定日の前日の朝
3日後に控えた長男の遠足のお弁当が作れなくなりそうだったので
同級生のママのところにお弁当箱を持って行って お願いし、安心したところで
≪今、陣痛が始まってくれれば 子供達が保育園に行ってる間に産めちゃうんだけどなぁ〜≫
なんて考えながら 軽くジョギングのまねごとをしていると
不思議と陣痛が始まってくれたのだ。
出勤した直後のお昼の12時頃のことであった。
 
過去を振り返ってみると、かなり お忙しい中の陣痛であったようだ。
3人を産む間、ほぼ100%仕事との関わりを持っていられて光栄である。
そして、私の自己満足である “わがまま” に付き合ってくれた
スタッフ、お客様、そして主人には感謝してもしきれない。
 
母と同じように、お店から産みに行けた事からすると
きっと 安産に違いない・・・。
 
 
 


2010年03月02日(火)

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