年表

131) 命名 [自伝本『私のこと』]

子供が出来たとわかってから、名前の事は考えていたが
結局 出産まで性別はわからなかったので、男女両方でイメージしていた・・・はずだった。
 
だが、なぜか 「輝」 と 「光」 の二文字ばかり出てくる・・・。
完璧に男の子イメージである。
もともと 特に この字に何の執着も思い出も無かったのに
名前を考えると 必ず出てくる・・・。
今 思い出すと、かなり不自然な現象であるが
当時は いたって自然に この字の付く名前を書き出していた。
 
≪性別もわからないし、後は生まれてから顔を見て考えよう・・・ ≫
と 保留にしておいた。
 
出産の時、破水したこともあって 急な陣痛が起こり
子供は ≪今だ ! 急げー ! ≫ とばかり、すごい勢いで出ようとしていたらしい。
助産師さんが、「今まだ早すぎる ! もう少しゆっくり ! あー強い ! 力が強すぎる ! 」
と言うので、私も必死に呼吸法で力を抑えていた。
その後も 「すごく力の強い子だわー」 と何度も言っていた。
 
そして 生まれてすぐ 私の胸に抱かれた時、元気な男の子とわかった。
彼は、羊水で体がピカピカに輝いていた。
そして、未だ見えていないであろう大きな眼で 私をしっかり見ていた。
ものすごい生命力を感じたのだった。
 
痛みと緊張がほぐれた私の頭の中には
「力強い」 「輝いている」 「輝」 「光」 の文字が浮かんでいた。
 
≪ 力強く 輝いていた・・・ やっぱり 力輝(りき)にしよう ≫
 
主人の意見も聞かず、私はすっかり決めてしまった。
立会い出産を体験した主人は、その日から 「リッキー」 と呼んでいた。
 
この光景は、未だにはっきりと覚えている。
忘れる事はないだろう・・・。
 
そして、なぜ あの字がしつこく私の脳裏にあったのかを
3年後に知ることになる。
 
 
 

2010年03月15日(月)

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