年表

130) 入院中 [自伝本『私のこと』]

入院中に、両親がお見舞いに来てくれた。
 
母も高齢出産、私も れっきとした高齢出産だったため
両親は70代になっていた。
私の病室は個室だったため、ベッドとソファーがあり
旅の疲れもあろうかと、横になることを勧めた。
丁度 様子を見に来た看護婦さんが、ベッドを見るなり苦笑した。
私の代わりにベッドとソファーで爆睡している両親がいたからだ。
あまりに無防備な寝顔を見ているうち
私が産んだ病室で、私を産んだ母達が寝ているという奇妙な光景に
思わずシャッターを押さずにはいられなかった。
 
シャッターを押す・・・といえば、
日頃から何でも記念にと、写真を撮ることが好きな私は
この出産までにも いろいろ撮っている。
 
妊娠9ヶ月頃に、大きなお腹のヘアーヌード写真にもトライした。
しかも、3回の妊娠それぞれに ばっちりキマったヘアー&メイク。
オールヌード以外にも コスチュームにこだわり、特撮さながらの
レアな作品となった。
 
出産の瞬間も、主人に撮ってもらった。
自分には その瞬間が見れないので、「絶対撮ってよ〜 ! 」 とお願いしていたのだ。
彼は、生まれた時間を示した分娩室のデジタル時計まで
とても冷静に、とても上手に撮ってくれた。
私にとって、これ以上の記念写真はないであろう。
 
入院中は、食事の写真も撮った。
今まで 入院などしたこともなかったので、病院食ですら 楽しみの一つであった。
美味しいと評判だったこの病院の 3食+おやつ は
レストランさながらの素晴らしいメニューで
ちゃんと銀食器で もてなされたのだ。
 
日中の TV を見る時間もあったので、ドラマの再放送など眺めていると
自分が隠居でもしたような錯覚に陥るのが おもしろかった。
 
それから たくさんの人々がお見舞いに来てくれた。
スタッフ、友人、お客様、業界の方々・・・
病室は、あっという間に お花畑のように華やかになった。
とても有難く、なお一層 幸せを感じる5日間であった。
 
初めての入院であったが、出産は病気ではなく
しかも、会陰切開(えいんせっかい)せずに済んだ私は 回復も早く
(というより、ダメージがほとんど無かった・・・笑)
とても有意義な入院生活であった。
 
意外にも、私の身体は 妊娠・出産に向いているようである。
 
 
 

2010年03月11日(木)

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