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145) しりとり [自伝本『私のこと』]

幼い頃、誰でも遊んだことのある “しりとり” 。
 
語尾に 「ん」 が付くと負けになる簡単なルールの中
「る」 から始まる言葉が少なかったり
動詞や形容詞、人の名前などは NG ワードだったりと
子供の年齢によって、ルールを決めていくのだ。
 
それでも 子供ルールは かなり甘いもので
まわりからのヒントや、時には 答えをバッチリ言ってしまっても
まるで自分の考えだったように 簡単に “いただく” ことが出来るのだ。
 
それだけではない !
子供には なぜかお気に入りの言葉があって、それを他の人に言われようものなら
機嫌が悪くなったり、最悪 「もう やめる ! 」 なんてことになってしまう・・・。
これが 意外と難しく、大人としては 気を使う そして頭を使う遊びなのである。
 
子供達と、愛犬チョコのお散歩に出掛けた日のこと。
 
この日も予想通り “しりとり” が始まった。
 
NIKO のお気に入りワードは、「シンバル」 と 「リップクリーム」 である。
しかも、「シンバル」 においては、保育園の先生から連絡帳でこんなことが書かれていた。
『にこくんと、しりとりをしていたら 「シンバル ! 」 と言うので
「シンバルって知ってるの ? 」 と聞くと、「うん ! 食べたよ ! 」 とのこと。
甘くて黄色くて 森の中で食べたものらしいのですが、何かしら ?
「りきちゃんは嫌いだけど、みくちゃんとにことママは好きだよ ! 」 ですって ! 』
と、書かれていて・・・当然 私には さっぱり見当もつかず
本人に確認をとったところで、ますます混乱するばかり。
何と勘違いしているのか、それとも ものすごい想像力の持ち主なのか・・・。
 
そんなことがありながら、始まった “しりとり” である。
案の定 NIKO が 「シンバル」 と言いたかったのに、MIKU が言ってしまった。
NIKO の機嫌が悪くなり、とうとう MIKU は 「じゃー違うの言うよ ! 」 と言ってくれたが
すぐその後、NIKO の 「し」 の番になったので
私と MIKU は、「シンバル ! 」 と言うのかと 目を見開いて待っていると
NIKO は、「しっこ ! 」 と笑顔で答えていたのだ。
私達の 「え゛〜〜〜 !!! 」 は、言うまでもない。
 
次に、NIKO の 「と」 の番になった。
めずらしく なかなか出てこなくて、ずっと悩んでいたので
MIKU が、「ほぉ〜ら、空飛んでいて 羽根をこう動かしてさぁ〜・・・」 と
「トンボ」 らしきヒントを ジェスチャー付きで教えてあげていると
すかさず ひらめいた様子の NIKO は、「あ〜〜〜、とんかつ ! 」
私と MIKU は、同時に 「とんかつは 空飛ばないでしょ !!! 」
あきれ果てた MIKU と、なぜか大笑いの NIKO 。
 
我が家での、“しりとり” が終わりをむかえるタイミングは
決して 「ん」 ではなく、こんな珍事になった時なのである。
 
 
 

2010年05月04日(火)

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