年表

41) 卒業式の香り [自伝本『私のこと』]

たくさんの想い出を胸に 迎える中学校の卒業式・・・。
 
小学校卒業時の文集には、<15年後の私達> というタイトルで、作文を書いた。
 
当時の勝手な受け取り方で
母の “美容師” という仕事に 嫌悪感があった私のはずだったが
なぜか はっきりと <母に負けない美容師になっている・・・> と書かれている。
なんだかんだと言っても、母の背中を見ていたに違いない。
 
そんな母も もちろん卒業式に出席している。
小学校も中学校も 卒業式は母だった。
しかも 着物だ !!
 
当時は、卒業式には 着物(色留袖)に黒羽織を着るのが定番だった。
今では、黒羽織を着る方は 少ないだろう。
ほとんどの母親が 黒羽織だ。 圧巻だった。
 
そして、卒業式・・・ 独特の香りだ。
たぶん 着物についた樟脳(しょうのう)の香りだろう。
会場である体育館いっぱいに この香りになる。
 
私は 案外 この香りが好きだった。
改まった という この香りが、さらに “特別な日” に変えてくれる。
 
私以上に、卒業を喜び 涙してくれた母の気持ちを考えていた。
あの時の想いからか、私は 子供達の入学式・卒業式には
着物で出席したいと思っている。
 
母から教わった着付けも、今の私の財産の一つである。
 
 
 

2009年04月14日(火)

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